大会長挨拶
はじめに、石川県珠洲市や世界各地で発生した自然災害、スーダンやウクライナなどでいまだに続く紛争などに巻き込まれた方々を救うために身を粉にしてご尽力されている医療従事者の皆様に、心より敬意と謝意を表します。
この度、第12回看護理工学会学術集会の大会長という身に余る光栄に、身の引き締まる思いです。本学術集会は、2024年11月2日(土)・3日(日)に石川県立看護大学にて開催されます。副大会長を、看護理工学会の初代理事長でいらっしゃいます真田弘美先生(石川県立看護大学・学長)にお願いしました。皆様にとって有益な2日間となるよう、紺家千津子事務局長(同大学成人看護学・教授)、大貝和裕実行委員長(同大学看護理工学・共同研究講座教授)の下、実行委員一同精一杯準備に努めております。交通の便が良いとは言えぬ開催地ではございますが、皆様奮ってご参加いただきますよう、お願い申し上げます。
本学術集会のテーマを『バイオとの出会いで広がる看護理工学の多様性(ダイバーシティ)』といたしました。看護理工学とは多分野連携によってケアイノベーションの創出を目指す学問ですが、学会の歴史的経緯から看工連携が中心となってきました。政府主導でSociety 5.0の実現に向けて世の中が大きく変化している現代において、人工知能などのテクノロジーの重要性が増す中で、看護理工学会が看工連携の先駆者となる責務は小さくありません。しかし、看護理工学が学問として更なる発展を目指すためには、今こそ様々な分野との連携により学問の多様性を拡大していく必要があります。本学術集会では、その中でも特に生物学、分子生物学、生物工学などの『バイオ』に焦点をあてることとし、日本生物工学会や日本薬理学会看護薬理学カンファレンスとの共同セッションを企画いたしました。
会場となります石川県立看護大学は、看護師および看護学研究者・教育者の育成に特化した単科大学です。昨年度より「看る知る、探る」をスローガンとして、探求心豊かな人材の育成に力を入れております。参加者の皆様には、生の教育現場である実習室なども見学していただけるように準備しております。また、本学附属図書館自慢のナイチンゲールコレクションの公開も致します。
本学術集会が、看護学者にとっても理工学者にとっても、看護の礎を改めて振り返り、また様々な学問との出会いによって生まれる新たな看護理工学に思いを巡らす機会となることを心から期待し、皆様とお会いできますことを心から楽しみにしております。
第12回看護理工学会学術集会
大会長 峰松 健夫
(石川県立看護大学成人看護学)